Magic of Pokemon/p121

From Poké Sources
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モンの数が二百五十種類以上に増えます。ポケモンにはすべて雄雌がいて、子どもも産むそうです。「たまごっち」みたいですね。また「金」「銀」のなかには「赤」「緑」「青」で育てたポケモンを連れてくることもでき、「赤」「緑」「青」で最終進化したはずのポケモンが、「金」「銀」でさらに進化することもあります。つまり旧ポケモンと新ポケモンの間に断絶はなく、相互補完的にポケモン世界を構成するということです。

▶| 子どもの世界を席巻する「ポケモン」

今子どもたちはポケモンブームにどっぷりと浸かっています。小学校の先生方からは、図画工作の時間、「こちらが指定をしないと、ピカチュウが教室のなかにいっぱい並んでしまう」(富山県小学校教諭)とか、「学年関係なしに、筆箱や下敷きなど、ポケモンキャラクタ—があふれています。ポケモンカードに子どもたちがはまりこんで授業中や放課後にかかわらずながめていたり、交換したり、なかには稀少カードを子ども同士で現金で売買したりして、学校内でちよつとした〃社会問題〃化しました」(愛知県小学校教諭)という声も聞かれました。
こういう現状のなか、今年、『ポケモン』の「金」「銀」が売れるか否かという詮索など、あらかじめ結果が決まった無意味な問いでしかありません。しかし筆者には、クリーチャーズの石原恒和氏が一昨年末、ポケモンブーム勃興の最中に語った言葉が忘れられません。
「子どもはあっというまに夢から醒めますからね。どういうかたちでポケモンを卒業していくかはわからない」さて、先ほど筆者は『ポケモン』をやるためゲームボーイとソフトを購入したと書きましたが、筆者は今、『ポケモン』をやっていません。モンスタ—も五十種類以上集めたのですが、そのまま放ってあります。でもそれは、「飽きた」とか「つまらない」とかいう感覚とはどこか違うのです。昆虫採集や怪獣消しゴムのコレクションを彷彿とさせる『ポケモン』には、ハイテクを駆使したTVゲームらしからぬ「懐かしいオモチャ」、「昔ながらの遊び」のやさしい手触りがあります。
それはわれわれ大人にとってみれば、しばらく触れていれば懐古趣味が満たされて、自然に離れていく類いの魅力なのだと思います。TVゲームが、そういう子どもが夢中になれる、でも大人になればきちんと卒業できる、まっとうなオモチャであり得ているのは、すごく希望のもてることだと、最近は考えるようになりました。しかしその感想とは別に、キャラクタ—商品やアニメーションを通じ、メディアとして、世代や性別を超え、際限なく拡がり続けるもうひとつの「ポケモン」、私たちの周囲に蔓延する「メディアとしてのポケモン」のあり方には、先ほど触れた「頹廃」に通じる違和感も覚えるのです。

121  PART-2▶「ポケモン」とは何か

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