Pokemon Story/p288

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伊藤が眼鏡を掛けた目をまん丸にして、嬉しそうに言いました。
「あつ、そう?ほ一んとう。そりやあすごい」
吉川はそれが癖の少しうつむいた姿勢から見上げるように久保を見て、やはり笑顔を見せました。伊藤は、缶ビールに手を伸ばしながら言いました。
「いやあ、すぐに電話をくれましたねえ」
「そういうところはさすがですね」
久保もそう言いながら、ビールに手を伸ばしました。プレゼンの結果も嬉しいものでしたが、決まったとなったら明日を待たず、すぐに電話をくれた任天堂の気持ちが嬉しかったのです。本当に山内がそう指示したのかもしれませんし、電話をかけてきた波多野や川口の気遣いだったのかもしれません「双方にそういう人がいるのであれば、なんらかうまくいくんじゃないかと思いましたね。厳しい交渉も多かったんですが、今日まで何とかやって来れているのも、そういう人がいたからだったんじやないでしょうか」(久保)ポケモンは、こうしてアニメになることになりました。ゲームソフトの発売後、『別冊コロコロコミック』でのコミツク化、さらにポケモンカードゲームとその世界を広げてきたポケモンの三つ目の、大きな大きなジャンプでした。

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