Magic of Pokemon/p168

From Poké Sources
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似た問題点を提示していたにもかかわらず、ゲーム業界の一部では話題になったもののすぐに忘れ去られてしまった印象がある。ゲームでてんかん症状を起こす症例などほんの少数であると目されたか、同時期の筒井康隆の断筆でも騒がれた「てんかん」という言葉自体を忌避するマスコミの姿勢もあったようだ。じつはゲームによるけいれん発作の症例はすでに八一(昭和五十六)年に発表されており、八九(平成元)年には日本の小児科医、精神科医からの症例報告も出はじめていたという。
こうした背景とはまた別の次元で、九〇年代後半に至っては、少児化と共に「子どもの漫画離れ」また「ゲーム離れ」という現象が発生してきている。八〇年代以来、コンピュータゲームは急速に子どものおもちやとして普及したが、その後、膨大な量の敵味方のキャラクタ—や魔法の技や呪文を覚えなければならないRPG型のゲームの普及などもあり、次第にゲーム内容は複雑高度化し、コンピュータゲームユーザーの高年齢化、逆に児童層ではゲーム離れ、手で触って遊ぶ玩具への回帰現象の進行という自体が発生していると聞く。現在のところ「ポケモン」とならぶ小学生の人気商品は「ミニ四駆」であるが、これも親子で熱中している層が多いという。

さて、考えてみると、そもそも「子どものメディア」なんてものは、いや、テレビなどの普及以前から子どものやる遊びなんてものはみな、本質的には危険な刺激物で、それは「有害」といえば確かに「有害」であり、しかしだからこそおもしろいのであり、そしてまた子どもは親の目を盗むために智恵をつけたり、危険なものと適正な距離をとることを自らの身体によって学習してきたのではないか、とも感じる。やや時代錯誤なことを承知で敢えていえば、やはり親公認の子ども文化など、なんだかかえって変で、「ゲームやアニメや漫画は親に隠れて楽しむもの」なんじやないか、という気がしないでもないのだが。

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▶ テレビ画面の大型化

日本では長らく、十四型テレビがシェアの大部分を占めていた。これはそもそも、テレビ放送開始当時に電波技術協会が、生産性の
問題や日本の住環境を鑑みて、十四型以下を普及型とすることを決めていたことによるが、意外にもテレビ放送開始翌年の一九五四(昭和二十九)年の型別販売数では十二型以下が約一七%、十四型が約四一%、十七型が三七%、二十型以上が三%であり、六〇年になってようやく、十四型九七%と、ほぼ十四型の独占市場となった。
六〇年代以降は技術の進歩もあり大型化が進行、七〇年前後からカラー化への移行が始まるが、初期はカラーの大画面機種は技術的・経済的に難しかったのか、七〇年代は十四型、十六型が主流を占めていた。八七年から二十二型以上が増加しはじめ、八九年には全体の三〇%以上になつている。こうした変化の背景には、ブラウン管製造技術の進歩による生産性の向上と解像度の鮮明化、海外で高品質製品が製造されるようになったことなどによる単価の低下が影響している。こうした事情も今回の「ポケモン事件」の一因を担っていることは否定できな
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