Game Freak/p172
Warning: the text below has not yet been proofread!
The text below has not yet been translated.
Page 172, scan,
ROOM』という言葉から、そのゲー厶が新しいおもしろさに満ちたものであることを連想できた。 「この新しさはなんだろう……」 田尻は何度もタイトルを口に出してつぶやき、ようやくひとつの結論にたどり着いた。ちょうど、英語の授業で動詞の活用を習っていたことがヒントとなった。 「新しいゲー厶というのは、新しい動詞を探すことではないのだろうか?」 以後しばらくの間、田尻は日常から様々な動詞を探すことで、新しいゲー厶のアイデアを模索するようになるのだった。 ユニバーサル社のコンテストが終了した翌年、今度は業界でも大手のセガ・エンタープライゼス社が、同様のコンテストを開催することになった。《セガ・ゲー厶アイデア大賞》と銘打たれたこのコンテストに、田尻は前年の反省を活かし、スプリングが”跳ね“ながら階段状の迷路を進んでいく『スプリング・ストレンジャー』というゲー厶のアイデアを応募した。 応募から半年ほどが経ち、田尻本人もそのことを忘れかけていたある冬の夕方、主催のセガ社から家に電話がかかってきた。それは『スプリング・ストレンジャー』が一等に入賞したという知らせだった。一等には一〇万円の賞金が贈られた。田尻は、その賞金から半分の五万円を母に差し出した。それは、自分がゲー厶に熱中するのを黙って見守ってくれていた母への、ささやかな恩返しだった。 第2部 ゲームフリーク 172
- Note: to add furigana, use {{Ruby-ja}}.