A Man Who Created Pokemon/p110

From Poké Sources
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いゲームを作れば、ゲーム以外のそういうメデイアの可能性が見えてきて、その可能性をひとっひとつ認識して手掛けていくと、ゲーム制作者ではない仕事の仕方になるんじゃないかとも思ってるんだよね。
——そこが『ポケモン』で見えたこと?
田尻: そうだね。『ポケモン』にしても、最初は「新しいゲームをつくった」とい、つ思いでっくってるんだけども、それがひとつの市場のように見えるところまで育てたのは、ちよつとゲーム制作と違う仕事をしたからだと思うんだよ。その後のプレゼンテーションも含めて。大きい市場があることはわかってるし、新しいビジネスの可能性も見える。たとえば、衛星放送の専門局をつくる、とかね。ディズニーがラジオ局をやっているのと比べればわかりやすいと思うんだけど、新しいゲームをつくったというよりは、新しい世界観をつくったということだと思うんですよ。(※112) そこに確かな手応えを感じられれば、いろいろとアイディアをプレゼンして大きくすることができる。それは、ゲーム制作を超えた仕事だと思うんだな。今後、別の新たなプロジェクトが同じようにヒットして、新しいメディアが立ち上がるというようなことはありえるし、そういう意味ではゲーム制作にこだわりきらないっていうね。

新しい映像表現とキャラクターの魅力『パルスマン』

——なるほど。どうしても『ポケモン』の話が中心になっちやうんですけど、ちょうど'92〜'93年頃かな、いわゆる次世代機ブームというのが業界に起こるわけですけど、ちょうど『ポケットモンスタ—』の制作自体は佳境な感じですよね。 (※113)
田尻: 佳境だね。『マリオとワリオ』が終わったあとに『ポケモン』完成までのモデルが見えたんだよね。『ヨッシー』と『マリオとワリオ』を手掛けて、会社として持続していける可能性が見えた。『ポケモン』に全力で取り組んでもいいし、ほかのものを選ぶ可能性もある。で、『マリオとワリオ』の直後から『ポケモン』の

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※112: もともとはアニメーション制作を行っていたデイズニーは、今ではテーマパーク運営から映画の配給、さらにはテレビ局の経営まで幅広く展開する多国籍企業である。その中心にいるのは、世界一有名なあの〃ミッキ! マウス〃。キャラクターを軸にした世界観のメディアミックス゠ビジネスモデルは、ある意味20世紀が生み出した最大の発明のひとつだろう。
※113: '90年代前半、ポス卜•スーパーファミコンを狙って、SCEのプレイステーション、セガのサターン、任天堂のニンテンドウ64といつた新機種が続々と市場に投入。ポリゴンをメインに据えた3D映像、これまでのゲー厶機では不可能だった演出を前面に押し出したこれらの新機種は激しいシェア争いを繰り広げた。

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