A Man Who Created Pokemon/p87

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らないんだけれど、やればできるんだと。書きたいとか、つくりたいことがあれば、できる。こういうことをやっている人もいるんだって、そういう自分の向上心に火をつけてくれたというかね。その一方で、『フリークス』っていう映画がハードらしいって聞いて、観に行く。(※88) その上映会で同時にかかったのが『ピンク•フラミンゴ』だつたんだよね。当時は『ピンク・フラミンゴ』のことを知らなくて、最初に『フリークス』を観て「、つ一ん、なるほど、こ、つい、つ映画か」って思ってたら、その後、ノーカツトの字幕なしで……。
——あはは(笑)。
田尻: 最初、観たときは、ドキュメンタリーなのかと思った(笑)。アメリカってい、つのは、こういう奇妙な人たちが住んでいる国なんだと思ってさ(笑)。本当に、ショックを受けた。人生の中でも、これが一番のショツクでしたね。「こういう映画です」って説明を事前に受けてたら、また印象は違ったと思、つんだけど。
——何も知らずに見に行って……。
田尻: なんか、宣伝に「フリーク映画の饗宴」って書いてあったからさ(笑)。あと、この監督自体の生き様自体も結構、僕の参考になってるんだよね。たとえば〃ジョン〃ってい、つのは俗語でトイレの意味で、〃ウォータ—ズ〃は水。つまり〃便所の水〃っていう本名。それで俺は〃田尻〃じゃない?そういう部分で結構シンパシーを感じたりしてたんだな(笑)。
——ああ、なるほど(笑)。
田尻: あと、ジョン•ウォータ—ズの生まれたボルチモアって、ニューヨークからちよつと離れた郊外都市なんだよね。郊外都市っていうのは、退屈な日常を送ろうと思えばいくらでも送れてしま、つよ、つな環境なわけ。結局のところ、そういう退屈な場所で「何を面白いと思うか」「何から面白さを見い出していくか?」だと思、つんだよね。そこを描くのが、ジョン•ウォー夕—ズはかなり上手い。僕自身も、東京の町田出身で、郊外都市の典型みたいな場所で育った。それも僕が育ったころは、それこそ東京の盲腸みたいなところだったからね。

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※88: '32年、怪奇映画のヒット作をいくつも手掛けていた映画監督トツド•ブラウニングのカルトクラシツク(邦題は『フリークス神の子ら』あるいは『フリークス怪物團』)。次々と登場する見世物小屋の芸人たちと、彼らが繰り広げられる芸の数々は観客に大きなショックを与え、公開されるや否や各地で上映禁止に。その結果、ブラウニングの映画人としての生命は断たれることになる。

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