A Man Who Created Pokemon/p198

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あとがき

この本で語られているのは率直に言って、田尻智のごく個人的なアレコレではある。しかし、それをただの個人史に終えることなく、日本のテレビゲームの歴史!!決して長くも短くもない25年と重ね合わせることができるんじゃないか。僕がこのインタビューのー番最初に描いていたのは、そんなビジョンだった。そして彼と会話を重ねるうちに、それは次第に確信に変わっていつた……というとカッコよすぎるんだけれど、こうしてゲラを読み終わった今、こちらの想像以上にその予測は当たっていたのかもしれないなあ、なんて思う。そしてこんなことができたのは、間違いなく田尻智という類い希なる〃知性〃のおかげでもあるんだろうな、とも。彼は第4章の最後で「テレビゲームを外に開いていくときに必要なのは、レトリックを獲得することだと思う」と話している。僕もまったく同感なのだけれど、つまり田尻智は今も昔も、一貫して「テレビゲームのレトリックを豊かにする」ために文章を書き、作品を作り続けてきた。少なくとも、彼がいなければ日本のテレビゲームは、今よりもずっと貧しいものになっていたんじやないかな、とは思う。そしてもちろん、事態はテレビゲームだけの問題じゃない。この本のなかで僕と彼はたびたび、日本の'70年代以降の文化状況や社会状況について言及した。その発言には当たつてるところもあるだろうし、間違えてるところも多いと思、つ。でもとにかく、今の“言葉”のままじや貧しすぎるんだ、という想いがその裏っかわにはあった。「(ゲームをつくることで)もうちよつと世界をよくしたいと思ってたからね」という彼の発言は、別にゲーム

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